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トレンドマイクロ ワークショップ運営事務局です。
トレンドマイクロでは、子どもたちや保護者の方に、“安全なICT活用”につながるイベントや情報をお届けしています。
本Blogでは、お子さまのICT利活用や、保護者の方の見守り方のヒントにつながるような記事を投稿させていただきます。
仕事に繋がる!プログラミング以外にもデジタルでできること
これまでの記事では、プログラミングの学習に必要なデバイスや環境について触れてきましたが、本記事ではもう少し視点を将来に向けてみます。
子どもたちの学習が進むにつれ、プログラミングでどのような力をつけることができるのか、またそうした力をどのような場面で発揮することが期待できるのかをご紹介します。
これまでの学習教科との違いは?
2020年度より小学校、2021年度より中学校でプログラミング教育が必修化されました。
既存の各教科の学習内容と組み合わせるかたちで導入されています。
しかしながら、これまでの学習教科との大きな違いはいくつもあります。
詳しく見ていきましょう。
知識の積み上げではない
これまでの学習教科との大きな違いは、知識の積み上げではない、という点です。
もちろん、既習の知識を活用して、という部分では学習を進めていく上で役立ちますが、必ずしもじっくりと知識を貯めていく必要はないのです。
必要なところは調べる
わからなかった部分については、「過去に学んだことを振り返る」のではなく、その時点で必要な部分のみを調べます。
例えば、もし、かけ算の計算でよく間違えてしまうのなら、九九を復習する必要があります。
しかし、プログラミングは、わざわざ復習する必要はなく、「わからなければ調べる」という、いわばカンニングにも近いこの行為は良しとされています。
「ずるい」はあり
前述したカンニングにも関連しますが、プログラミングは暗記ではありません。
覚えることが重要ではなく、自らの頭にあるイメージを「形にする」ことが重要なのです。
たとえば、「オープンソース」という言葉をご存知でしょうか?
無償で公開されており、誰もが改造、再配布可能なソースコードのことを指します。
つまり、実現したいと思うことをすべて1から作り上げていくのではなく、誰かが既に作っているものを有効に使える、ということです。
先月の「作品は発表しよう!でも、気をつけることも」の記事でも触れているScratchの共有機能とリミックス機能こそ、まさにオープンソースです。
一見、「誰かのネタをパクっている」ようにも見えますが、みんなでより良いものを作っていく上ではとても重要な役割を担っているのです。
本来、カンニングはずるいとされますが、プログラミングでは「あり」なのです。
※ただし、全てのソースコードがオープンソースというわけではありません。
画像や音楽、ソースコードなど、制作者による規約やコメントをよく読み、利用できるかを確認する必要があります。
「完璧」にこだわらず「まずは形に」
プログラミングを通して体感できるのは、形にできる速さでもあります。
自分でじっくりと調べて、ゆっくりと歩みを進めていくことも可能ですが、一方で誰かのアイデアを拝借し、自分なりに咀嚼して取り込み、形にしていくことができます。
何かを作ろうとすると、その完成度は気になるところですが、まずはある程度の形にしてしまうことが大切です。
完璧を求めすぎるあまり、一人で足止めをくってしまうのは、珍しいことではありません。
ですが、6〜8割の完成度でも、一度アウトプットして、フィードバックをもらい、それを反映させながらブラッシュアップしていく方が、完成度の高い作品までの時間短縮になることもあります。
まずは、形として仕上げてしまい、そこから磨き上げていくことが可能です。
子どもたちが、学習している既存の教科との違いを4つ挙げましたが、プログラミングはこれまでの学習とは大きく異なることが、おわかりいただけたでしょうか?
プログラミングで身につく力
画像素材:PIXTA
プログラミング学習を通して身につく力として、以下の3つが挙げられます。
- 計画する力
- 課題を分割する力
- 試行錯誤する力
それぞれを詳しく見ていきましょう。
1.計画する力
プログラミングで身につく力の代表は、「計画する力」です。
なぜなら、完成形のイメージからさまざまなことを逆算して考える必要があるからです。
たとえば、何かゲームを作るとしましょう。
コントローラーでキャラクターを動かしたり、現れた敵を倒しながら進めていったり、最後にはボスがいて倒すと宝物がゲットできたり。
おそらく、たくさんのイメージが浮かぶことでしょう。
実は細かく見ていくと、1つのゲームにはたくさんの要素が含まれています。
キャラクター、敵、背景、音楽など、本当にさまざまです。
ゲームを1つ作るにしても、前もって必要なパーツを考え、準備しておかなければなりません。
パーツだけに限らず、どのような工程が必要なのか、にも目を向け、全体での計画を立てられるようになっていくのです。
2.課題を分割する力
課題を細かく分ける力も養うことができます。
前述した「計画する力」にも関連しますが、ゲームを構成するパーツに分けることはもちろん、ゲームを場面ごとに分けたり、キャラクターの動きを1つ1つ設計することも課題を分割する力に含まれます。
例えば、ゲームの中で必要となるキャラクターの動きに「ジャンプ」があるとして、以下のように考えます。
ジャンプの動き
↓
上に上がったあと、下りてくる
↓
「上がる」と「下りる」がセットになっている
というように1つの動きを細かく分けるような思考力が身につきます。
3.試行錯誤する力
プログラミングでは検証作業が欠かせません。
「作ってみては検証する」という作業の繰り返しです。
一回の検証で自分の思い通りの動きが実現するとは、限りません。
むしろ、一度ではうまくいかなかったり、イメージとは違ったりという場合の方が多いかもしれません。
自分でイメージしている動きに近づけるためにコードを書き換えることもあれば、細かく数値を微調整することもあります。
学校の教科のテストでは一発勝負が多い一方、プログラミングはそうした制限はありません。
うまくいかないことは失敗ではなく、経験なのです。
何度でも試すことができ、また試した結果をすぐに得られるので試行錯誤のサイクルも早く回すことができます。
プログラミングで身につく力を3つご紹介しました。
これらはいずれも仕事をする上でも、活用できる力になり得ます。
汎用性の高い力を武器に
プログラミングを通して身につけることができる力は、非常に汎用性の高いものです。
生きていく上で、いかなる状況においても活用できる、これからの時代には必要な力だと言えるでしょう。
もちろん、仕事にも存分に活かせることは言うまでもありません。
画像素材:PIXTA
大事なのはソウゾウリョクと思いやり
プログラミングを学びながら習得していく汎用性の高いこれらの力は、上手に使えてこそ本来の力を発揮します。
そこで大事なのはやはり「ソウゾウリョクと思いやり」です。
誰かのアイデアを借りながらでも、自ら作り出していく「創造力」と、それを目にする、使ってくれる相手を思う「想像力」。
そして、直接目の前にはいなくても、使ってくれる誰かに対する「思いやり」の気持ちは忘れないようにしましょう。
うまく活用して未来へ!
楽しみながら取り組めるプログラミングの学習ツールは、たくさんあります。
楽しい体験を通してさまざまな力を身につけ、これから羽ばたいていく子どもたちの未来がとても楽しみです。
トレンドマイクロ ワークショップ運営事務局
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子どもたちの安全なデジタル活用のために、参加者や目的に応じて、 3つのコンテンツを提供できます。
- 子ども向け(主に小中学生) リテラシー・セキュリティ啓発ワークショップ「デジタルセカイの歩き方」
- 保護者・教職員向け 講習会(研修会)「安全・安心なデジタル活用のために保護者ができること」
参考動画はこちら - 親子向け デジタル活用を楽しんで学ぶ親子ワークショップ 各種
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