皆さま、こんにちは。
トレンドマイクロ ワークショップ運営事務局です。
トレンドマイクロでは、子どもたちや保護者の方に、“安全なICT活用”につながるイベントや情報をお届けしています。
本Blogでは、お子さまのICT利活用や、保護者の方の見守り方のヒントにつながるような記事を投稿させていただきます。
プログラミングの学習方法と次のステップへの進み方
2020年度より小学校で、2021年度より中学校でもプログラミングが必修化されました。
スタートしてから時間は経つものの、多くの保護者の方からお問合せをいただくのが、「どのように学んだらいいの?」という内容です。
本記事ではプログラミングの学習方法と、そのステップアップについて解説していきます。
まずはビジュアル言語からスタート
初めの一歩としておすすめなのは、ビジュアルプログラミング言語と呼ばれるものです。
「ビジュアル」という名前の通り、視覚的なわかりやすさを重視しています。
プログラミングと聞くと、黒い画面にキーボードを使って英語でコードをカタカタと入力する、そのようなイメージがまだ強いのではないでしょうか?
ビジュアルプログラミングでは、そうしたキーボードでの操作をゼロ、もしくは最小限にとどめて、より「見て」わかるように作られています。
ビジュアルプログラミングから始めるメリット
プログラミング学習をビジュアルプログラミング言語から始めるメリットは以下の2つです。
- プログラミング的思考の土台を作ることができる
- 難しい操作がなく負担が少ない
1.プログラミング的思考の土台を作ることができる
プログラミングにはさまざまな言語がありますが、基礎となる考え方は同じです。
それならばいきなり高度なことから始めるのではなく、より楽しく簡単に始められるのは大きな魅力ですね。
2.難しい操作がなく負担が少ない
キーボードを使うとなると、アルファベットを覚えて、キーの配置も少しずつ頭に入れて…というように、お子さまが取りかかるにはかなりのハードルがあるものです。
ビジュアルプログラミングはもっと簡単に、直感的に動かすことができます。
次の章で詳しく紹介しますが、基本的にはドラッグ&ドロップで操作が可能です。
ですからパソコンを始めたばかりのお子さまでも、大きな負担なく始められることでしょう。
ビジュアルプログラミングのツール
ビジュアルプログラミングの学習ツールとして大きく2つに分けて解説します。
- VISCUIT(ビスケット)・Scratch.Jr(スクラッチジュニア)
- Scratch(スクラッチ)
1.VISCUIT・Scratch.Jr
より直感的に、かつ視覚的にわかりやすいツールの代表格です。
どの方向に動かすのか、どのくらい動かすのかなどを自分のイメージに合わせて決めることができます。
前者は「メガネ」のアイコンを使って、後者は動きのマークが書かれたブロックを組み合わせてプログラミングをしていきます。
大きな特徴は以下の2点です。
- 文字入力が必要最低限
- タブレット用アプリ ※VISCUITはパソコンのブラウザでも使用できます。
上記2点から、未就学のお子さまや小学校低学年のお子さまでも取り組みやすいことがわかります。
2.Scratch
言わずと知れたプログラミング学習教材の1つで、前述したScratch.Jrのベースにもなっています。
Scratch.Jrでは動きのマークが書かれたブロックを用いますが、Scratchでは出したい命令が言葉で書かれたブロックを組み合わせていきます。
ブロックの種類も豊富で、さまざまな処理が可能です。
詳しくは次の章でご紹介します。
このほかにもプログラミングのファーストステップとして取り組めるツールは多数あります。
いろいろと試してみるのもいいでしょう。
プログラミングの理解を深める
前章では、学習ツールについてご紹介しました。
ここからは主に小学生の多くが触れるであろうScratchを中心に、ビジュアルプログラミングでどのように理解を深めることができるか詳しく説明していきます。
プログラミングで身につく力
プログラミング学習では以下のようなことを考えながら取り組みます。
- 最終的な完成イメージから逆算する
- パートごとに分解する
- それぞれを作成・検証・修正
- コンピュータに命令を出す際の手順とその効率化
いわゆる「プログラミング的思考」と呼ばれるものです。
これらはプログラミングにのみ必要とされるのではありません。
日常生活にも活用できる、とても重要な力でもあります。
そして、これらはビジュアルプログラミング言語でも身につけていくことが可能です。
ゲームや作品としてイメージを実現できるものとできないものとがありますが、考え方自体に違いはありません。
また、ビジュアルプログラミングで身についた考え方は、ステップアップしてコードを書くようになっても使うことができるのです。
画像素材:PIXTA
コード入力でより技術的なレベルへ引き上げる
ビジュアルプログラミングに対して、実際に文字入力によりコードを書くものをテキストプログラミングと呼びます。
ビジュアルプログラミングに慣れて考え方も身についてきたら、より技術的なレベルへ引き上げるためにもテキストプログラミングにチャレンジするのもよいでしょう。
ここではテキストプログラミングの例として2つ、Processing(プロセッシング)とUnity(ユニティ)に触れておきます。
1.Processing
テキストプログラミングの基礎を学ぶことができます。
テキストプログラミングの多くは「環境構築(=プログラミングに必要な開発環境を作ること)」が必要ですが、Processingにはその必要がありません。
スタートするにはハードルが低めです。
また、デザイナー向けに開発されているのでゴリゴリのプログラミングではない一方、学習で得た知識は他の言語に活用することもできます。
2.Unity
Unityは、ゲームを開発してみたいお子さまにとってはとても魅力的な言語です。
2Dや3Dゲームの開発にしばしば用いられている言語でもあります。
より本格的なゲームを目指すのであれば「C#(シーシャープ)」という他のプログラミング言語の習得が必要になります。
しかし、Unityでのゲーム開発で使われるのは主にゲーム固有の処理のためのものです。
ですから必要な箇所で必要な知識を得ていけば良いでしょう。
C#を用いない部分については、マウスを使ってドラッグ&ドロップで操作ができます。
映し出すゲーム映像の設定や、ステージの作成などもマウス操作でできるので、すべてのコードをテキストで記述するわけではありません。
これらを踏まえ、ビジュアルプログラミングから次のステップへ進むには、Unityもおすすめだと言えます。
プログラミングの学習方法
それでは、どのように学習を進めていくのが良いのでしょうか?
どの教材であっても書籍が販売されていたり、チュートリアル動画が公開されたりしています。
いくつか見てみて、作りたいものから取り組んでいくといいでしょう。
また、教室へ通うのも1つの方法です。
最大のメリットは、わからなくなったときにすぐに質問ができること。
どうしても自力で解決できないときなどには有効ですね。
ついつい夢中になってしまう…
プログラミング学習につきものなのはバグです。
誰しもが必ず経験し、その解決のために以下のような、たくさんの試行錯誤を経験していくことになります。
- 何(どの箇所)が原因なのか?
- どう修正したらいいのか?
- 修正後の検証ではどうか?
場合によってはネット上で情報収集することも多いでしょう。
Web上の記事を調べていくつかに目を通したり、解説動画を見ながら手を動かしてみたり、解消したい一心で夢中になってしまうこともあるのではないでしょうか。
「気がついたら何時間も経っていた」ということもあるかもしれません。
デジタルセカイの特徴
デジタルセカイの特徴の1つに、熱中しやすいことが挙げられます。
例えば、何かを検索するときはいくつも候補が挙げられていますし、サイトを訪問すれば関連記事が多数紹介されています。
動画も同様です。
場合によっては、関連した動画が数秒後には自動的に再生されることもあるでしょう。
なかなか簡単には抜け出せなくなってしまう恐れがあるということです。
大切なのはこの特徴をきちんと知っておくこと。
知ってさえいれば、自分で「やめる」選択をすることもできるからです。
インターネットやゲームに限らず、やり過ぎはよくありません。
いま一度、お子さまとデジタルセカイの特徴を確認し、どのように向き合っていくかを話し合ってみませんか?
トレンドマイクロ ワークショップ運営事務局
“子どものデジタルトラブル”に関わる、様々なプレイヤーとパートナーとなり、家庭のデジタルライフにおける課題に対して、各々の強みを生かした取り組みを行っています。
子どもたちの安全なデジタル活用のために、参加者や目的に応じて、 3つのコンテンツを提供できます。
- 子ども向け(主に小中学生) リテラシー・セキュリティ啓発ワークショップ「デジタルセカイの歩き方」
- 保護者・教職員向け 講習会(研修会)「安全・安心なデジタル活用のために保護者ができること」
参考動画はこちら - 親子向け デジタル活用を楽しんで学ぶ親子ワークショップ 各種
各コンテンツの実施レポートは、下記一覧よりご覧いただけます。
トレンドマイクロ お客さまコミュニティ > 保護者のためのデジタルガイドブック > デジタルのアレコレ
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