【寄稿】どう付き合ったらいいの?子どもたちとインターネット「ネットリテラシーとモラル」 smileme株式会社

※この記事は制作時の情報をもとに作成しています。

 

皆さま、こんにちは。

 

トレンドマイクロ ワークショップ運営事務局です。

 

トレンドマイクロでは、子どもたちや保護者の方に、“安全なICT活用”につながるイベントや情報をお届けしています。

 

今回も、イベント開催支援をいただいている、SmileMeさんより、子どもたちのネットリテラシーとモラルについて、ご寄稿いただきましたのでご紹介させていただきます。
SmileMeさん、ありがとうございます!

 

どう付き合ったらいいの?子どもたちとインターネット

これまで、小学校・中学校での実際のICT活用法についてご紹介してきました。

その有用性も、なんとなくイメージが湧いたことでしょう。

 

とは言っても、保護者としての立場上気になるのは、「子どもたちがインターネットとどのように付き合ってくのが良いのか」ということではないでしょうか。

 

SNSや動画視聴、ゲームなど、子どもたちがネットに触れる機会が増えた昨今、その裏側にあるリスクについてもしっかりと理解しておく必要があります。

本記事では、懸念されるトラブルへの対策や対応のヒントをご紹介します。

 

ネットリテラシーとは?

「インターネットリテラシー」を縮めた呼び方のことで、インターネットを使う上での知識や能力を指します。

ネットリテラシーが低いと、トラブルにも巻き込まれやすくなってしまいます。

 

インターネット上には多くの情報があふれかえっています。

しかしながら、これらすべてが正しいわけではありません。

情報を鵜呑みにしてしまったり、デマや誤った情報をよくわからないままに、悪気なく拡散させてしまったり、ということを聞いたこともあるのではないでしょうか。

 

ここで注目していただきたいのは、「悪気がない」という部分です。

決して誰かを困らせよう思っているわけではなく、ネットリテラシーが低いことによって引き起こされるのです。

また同時に、モラルをも問われる事態になってしまいます。

 

子どもたちの身近に潜むトラブル

では、子どもたちの身の回りにはどのようなトラブルがあるのでしょうか。

これまでの記事でも紹介している「Scratch(スクラッチ)」を例に、いくつか挙げてみます。

 

―著作権について

Scratchでは、好きなキャラクターを使って自在にプログラミングし、思い思いの作品を作ることが出来ます。

自分で作った素材(画像・音楽など)やScratchのサイト内にある素材を使う分には問題ありませんが、注意が必要な場合があります。

それは「著作権」に関わる場合です。

 

著作権とは、作品の作者(著作者)の利益を守るために法律によって与えられる権利のこと。

作品ができあがるまでには、作者の並々ならぬ苦労があるものです。

その苦労に報いることで、創作活動がより活性化されるようにしていくために存在します。

そのため、著作者が嫌な思いをしてしまうような使い方は避けなければなりません。

 

誰かが作った素材を勝手に使うのは、良いことではありませんよね。

それがたとえフリー素材であっても、Scratchで「共有」してしまうと、それは素材も含め「共有した人の作品」となってしまいます。

他の利用者がアレンジ(リミックス)もできてしまうため、著作権に触れる可能性があります。不安要素をなくすためにも最初から使わないようにするのがベストですね。

自分で描いたアニメキャラクターも同様です。

※Scratchにはリミックス(=誰かの作品にアレンジを加えること)と共有(=自分の作品を公開・誰でもリミックス可能)という機能があります。

 

弊社においても、「Scratchデザイン」コースでは子どもたちがさまざまなアイデアをカタチにしています。

もともとScratchに準備されている素材だけにとどまらず、背景やキャラクターなどを自身の手でデザインするコースです。

 

ここでもやはり、常日頃から著作権に関わる声かけを実施しており、難しい言葉は抜きにして、「誰かの作品を勝手に使わないようにね」というシンプルで残りやすい表現を選ぶようにしています。

「Scratchデザイン」コース作品 作品事例


 

―コミュニティでのコミュニケーション

Scratchには、Scratchの利用者によるコミュニティ「Scratchコミュニティ」があります。

ここでは自分の作った作品を公開・共有、リミックスすることができます。

またそこでお互いにコメントを残して交流するための場所でもあります。

 

会ったこともない人とオンライン上でコミュニケーションをとる際に、注意が必要なのは言うまでもありません。

しかしながら、大人に比べるとオンラインコミュニケーションの経験の少ない子どもたちの場合、危険性やリスクを知らないまま使ってしまい、トラブルになってしまう可能性もあります。

 

直接見えていなくても「自分の言葉の先に誰かがいる」ことを理解し、その相手を傷つけてしまわないよう注意しなくてはいけません。

とくに、Scratchのコミュニティを使っている人は世界中にいます。

性別はもちろん、年代、文化的な背景、興味もさまざまです。

言葉の先にいる人に嫌な思いをさせてしまわないよう、想像力を働かせることが大切です。

 

こんな風に言われたら、相手はどう思うだろう?」といった問いかけとともに、一緒に考える・想像することで、子どもたちも意識するようになっていきます。

 

また、個人情報についても同様で、注意が必要なポイントです。

名前や居住地、メールアドレスなどは、安易に公開してしまわぬよう日ごろからの意識と周囲からの声がけが大切です。

 

Scratchコミュニティのコメント欄

 

子どもを守るために【フィルタリングの活用】

「フィルタリング」をご存じでしょうか?

有害サイトへのアクセスをブロックし、閲覧制限を行います。

よくわからないままいつの間に課金されていたり、犯罪に関するサイトやアダルトサイトなどを閲覧してしまったり、といったことを防ぐのに、とても有効な機能です。

 

常に保護者が子どもたちの傍らについているのは難しいですが、こうした機能を上手に取り入れることで、負担を軽くすることができます。

 

ただし一方で、この制限によって本来調べたかったはずの情報にたどり着けない、あるいはそのサイトに移動しようとしてもブロックされてしまうといった弊害が生じる場合もあります。

これではせっかくのICTを活用しきれておらず、とてももったいないことだと思いませんか?

 

目を向けたいのは「目的」と「サービスの活用」

実はこのフィルタリング機能、揉めごとの原因になるという話をしばしば耳にすることがあります。

見たいものが見られない、使いたい機能が制限されてしまっている、といったように。

 

その度に制限を解除するから手間がかかってしまい、やがてその手間が積み重なって、「フィルタリング機能」そのものが鬱陶しいものになってしまう、といった事例です。

 

フィルタリングの強さは、設定によって変更可能ですから、お子さまの年齢や用途に合わせ、都度、その強度を見直していくのもひとつの方法です。

もちろんご家庭の方針はさまざまでしょうから、様子を見て対応することをおすすめします。

 

そしてもっとも重要なのは、お子さまにきちんと話をしておくことです。

  • なぜフィルタリングによる制限をしているのか
  • インターネット利用時にどのようなリスクがあるのか
  • どのようなことを制限しているのか

といった内容です。

何の話もなくすべてを制限してしまうと、お子さまも不満を抱えてしまいます。

家庭での考えをお子さまに伝えておくのは大切ですね。

 

恐れているのは「知らない」こと

何よりも保護者の方が心配なのは、「知らないこと」なのではないでしょうか。

何も知らずにどこかのサイトにアクセスする、わからずに何かをダウンロードする、知らないうちに誰かを傷つけてしまう。

だから、そうならないように制限を強めてしまう。

 

しかし、保護者として「どんなところが心配なのか」がわかれば、そのポイントに絞っての制限や、お子さまとの約束事で回避できることも多くあります。

 

いかがでしょうか?

インターネットがとても身近になり生活が便利になっていく反面、トラブルに巻き込まれてしまうリスクも高まっていること、そしてそれらを回避する方法についてもご理解いただけたのではないでしょうか。

 

お子さまと話をして、インターネットとのつきあい方について一緒に考えてみる機会を作ってみてはいかがでしょうか。

子どもたちを守るために、リスクについて伝え、学び、どうしたら回避できるのかをぜひ考えてみてください。

親子でネットリテラシーを高めていきましょう。

 

SmileMe株式会社

小中学生向けプログラミング教室「SMILE TECH」ではリアルでの教室に加え、オンラインでも授業を行っています。

内容もScratch(スクラッチ)やProcessing(プロセッシング)などのプログラミングだけではなく、デザインまで幅広いコースをご用意しております。

詳しくはHPをご覧ください。

https://www.smileme.jp/

 

※Scratchはマサチューセッツ工科大学の登録商標です。